セルビアのビッグクラブの日常
ELPISでの仕事のかたわら、東京でミニバスとU15クラブのコーチをしている小野祐紀です。
僕はいま、ヨーロッパのバスケと選手育成を学ぶため、2週間の予定でセルビアに来ています。その様子を、不定期連載という形で会社のブログを借りて紹介していこうと思います。
短期で海外コーチ留学をしたいという人や、同じ育成年代のコーチをしている人たちの参考になる情報を発信していきます!
さて、今回滞在しているのは首都のベオグラード。
首都なのでバスケのクラブもたくさんありますが、ヨーロッパ全体でもビッグクラブの1つに入るKKパルチザンの本拠地もここにあります。クラブ名のKKは「バスケットボールクラブ」、パルチザンは「市民軍」という意味です(なぜこんな物々しいクラブ名なのか興味ある人は、ぜひパルチザンの歴史を調べてみてください)。

この街に横浜アリーナよりもやや大きいベオグラードアリーナが建てられて以降、パルチザンはトップだけでなくユースも素晴らしい施設で練習をしています(およそ15年前からだそう)。
ちなみにベオグラードアリーナには、ここを本拠地とするもう一つのビッグクラブ・KKツルヴェナ ズヴェズタ(レッドスター)がありますが、練習施設は敷地内にないそうです。
ちょっと分かりづらいですが、上の写真だとボールのモニュメントの左奥にある黒い建物がパルチザンのグッズショップ、その反対側・モニュメントの右奥にある赤い建物がツルヴェナ ズヴェスタのグッズショップです。

アリーナの入り口が東西南北に4つあり、そのうち1つの階段下に、6歳からプロまでが使う練習施設があります。
あらゆるカテゴリの練習に使われているだけあって、練習施設の出入りは基本的に自由(トップがやっている時間は制限されているのか、人がいませんでした)です。ただ、それも現場に行ってから初めて知ったことで、視察初日はユースのマネージャーから送られてきたスケジュールを見て驚愕。

とある1日のスケジュール。なんでこんな時間に学生が練習するのかは、現地の生活と合わせて書きます。
ランチタイムを除いて、8:00から23:00まで色々なカテゴリがどんどん入れ替わり、ずっと練習が行われていました。これはたしかに出入り自由にならざるを得ない。
もちろん、これがセルビアバスケの当たり前というわけではなく、ビッグクラブだからこその環境です。海外視察という意味では、毎日3〜6カテゴリの練習を見学できて非常に有意義でありがたいです。
施設の先にはカフェがあり、ここも出入り自由で近所の人やバスケ好きのおじさん(日本でいう阪神ファンのような感じ)がお茶しにきています。セルビアの多くの飲食店は喫煙可。タバコの煙の先にあるテレビに写るのは、もちろんパルチザンの試合。
このカフェはクラブハウスではないものの、コーチたちの溜まり場にもなっていました。

カフェに続く通路には椅子とテーブルがあり、練習を見ている一般人や保護者も。
タバコを吸いながらパルチザンの試合結果をチェックしているおじさんの席の真横で、まさにそのクラブのトップコーチとユースコーチたちが談笑する光景は日本ではなかなか見られません(おじさんも特に驚いていませんでした)。
さすがにトップカテゴリの選手は来ませんが、FIBAの3×3トップランカー(執筆時点で世界19位)のステファン ミリヤノイェビッチ選手が練習後にお茶していて、ちょっとした会話をすることができました。
僕にとっても、ここが視察中の出会いの場になっています。
セルビア出身のブラデ ディバッツ選手は喫煙していたNBA選手として有名ですが、ヨーロッパ諸国と同じくセルビアではカフェとタバコという文化が根付いており、それがバスケとも非常に距離が近いのだなと感じました。
次回は練習の内容について触れてみたいと思います。それではまた。
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